開業までの物語
神戸メリケンパークオリエンタルホテルのはじまりは、さかのぼること1992年。
「海と船に親しめる新しいウォーターフロントの創造」をコンセプトに、 ターミナルとしての機能だけでなく、 人々が集まる複合的な施設として、地域の開発、活性化を目的としたホテル建設が進められました。
ホテル開業に向けて進めていた1995年1月17日、阪神淡路大震災が発生。
幸いなことに、ホテルの建物自体は液状化対策や耐震構造を施していたため被害はほとんどなかったものの、ホテル周辺の岸壁は大きく崩れ落ちてかつての風景からは一変しました。
神戸に大きな打撃をもたらした震災は、誰もが予定通りの開業を諦めかけましたが、「傷付いた神戸の街にいち早く復興の光を」という強い想いのもと、1995年7月15日の開業にこぎつけることができたのです。
開業に先立ち、1995年(平成7年)7月7日にはオープニングレセプションが行われ、午後7時7分に点灯式を実施。赤と緑の光がゆっくり回り始めると、港に停泊する船からは汽笛が鳴らされ、震災で亡くなられた方々の鎮魂と神戸の復興を祈って、777発の花火が打ち上げられました。
その日からずっと、日本でただ一つのホテル灯台は、海上保安庁から認可を受けた公式灯台として、神戸港を行き交う船の安全を見守り続けています。
外観
自然と調和したデザイン
ホテルの外観は、海からせり上がる白い波をイメージした、なだらかな流線型のデザインを採用。
神戸のシンボル・神戸ポートタワー、神戸海洋博物館とともに三位一体の存在であることを考慮してなだらかな曲線を描くデザインと調和するように低層な造りとなっています。
エレガントでありながら港町にふさわしい、景色にやさしく溶け込む独特のフォルムがこうして誕生しました。
ホテル外観の照明は国内外で広く活躍する照明デザイナー石井幹子氏によるものです。
この外観照明はホテル全体が神戸の街の灯台となるように…との願いをこめてデザインされました。
神戸ポートタワーの「赤」、神戸海洋博物館の「白」の照明とあいまってトリコロールとなるように、 また、阪神淡路大震災で傷ついた神戸の街や人々を癒す優しい光になるようにと「エメラルドブルー」の色合いが採用されました。
石井幹子 照明デザイナー
都市照明からライトオブジェや光のパフォーマンスまでと国内外で幅広く活躍する照明デザイナー。主な作品は、東京タワー、東京駅、レインボーブリッジ等のライトアップ、函館市や長崎市の景観照明、飛騨白川郷の月明り照明など。日本照明賞、東京都文化賞をはじめ、国内外での受賞多数。2000年秋、照明デザインへの貢献により、紫綬褒章を受章。
「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」建築賞受賞履歴
・1996年 関西照明技術普及会賞 /
第10回・11回神戸景観ポイント賞
・1997年 第38回建築業協会賞 /
第6回さわやか街づくり賞
灯台ホテル
“日本唯一”のホテル灯台
昭和39年、神戸京町に開業した旧「オリエンタルホテル」の屋上に“港町神戸のシンボル”として日本で初めてホテルの敷地内に灯台が設置されました。
平成7年に阪神淡路大震災が発生し、全壊した旧「オリエンタルホテル」は閉鎖を余儀なくされ、ホテル灯台も一時ともしびを消しましたが「オリエンタルホテル」の姉妹ホテルとして建築中だった神戸メリケンパークオリエンタルホテルに灯台を受け継ぐことになりました。
豪華客船が停泊するホテル
豪華客船が停泊するホテル
神戸メリケンパークオリエンタルホテルは、2階に客船が入出港するターミナルを併設する、大変珍しいホテルです。
世界を巡るクルーズ客船「飛鳥II」や、世界初の洋上マンションと呼ばれる「ザ・ワールド」などの豪華客船が入港する時もあり“港町 神戸”を体感できるロケーションです。
大型の外国客船や帆船を眺めたり、旅気分を盛り上げる汽笛の力強い響きを耳にする機会もしばしば。
港町らしい神戸ならではの体験はもちろん、世界とつながる港に建つシーサイドホテルならではの贅沢な時間を心ゆくまでご堪能いただけることでしょう。
中突堤をはじめとする神戸港の客船入港予定は、神戸市みなと総局のホームページでご確認いただけます。
提供:神戸市みなと総局 ※中突堤旅客ターミナル(ホテル2階)に入港した客船 飛鳥Ⅱ / SILVER SHADOW / THE WORLD